【医者恋シリーズ2】 冷徹ドクターのイジワルな庇護愛
天使……!天使すぎる!
つい感謝と感激のキラキラした眼差しを送ると、「あ、昨日書いてもらってなかったこれ」と問診票らしき紙の載ったボードを差し出された。
慌てて返事をして受け取りにいく。
「おい、ムロ。何勝手にオッケーしてんだよ」
「今やっても午後にやっても、同じじゃないっすか」
「だから、それを決めるのは俺だろうが」
「ったく……」と踵を返して、先生は奥の診察室へと消えていく。
「人の大事なコーヒーブレイクを」なんて愚痴が聞こえてきたけど、室屋さんがクスクスと笑った。
「大丈夫、やる気になったみたいっす」
「え? あれでですか」
「はい、あれでです。オペ、一時間しないで終わるので、少しお待ちくださいね」
室屋さんは「問診、書いたらここ置いといてください」と言い残し、診察室に入っていく。
しばらくすると、奥からジャコの不安そうな鳴き声が連続で聞こえてきた。