【医者恋シリーズ2】 冷徹ドクターのイジワルな庇護愛
再び診察室の扉が開いたのは、本当に一時間しないくらいの時間が経った頃だった。
「終わりました!」と、室屋さんが顔を出す。
診察室に入ると、後ろ脚に包帯を巻かれ、眠っているようなじゃこの姿があった。
「あの……今は」
「安全を考えて、全身麻酔で処置を行っている。麻酔が切れてからの痛みを抑えるために、一緒に鎮痛剤も入れているから」
「そう、ですか……」
「オペは予定通り行えた。しばらくは入院という形で、経過をみていく」
グローブを外した先生は、口元を覆うマスクを顎の下へとずらしながら淡々と説明していく。
何はともあれ、じゃこのオペが無事に終わったことにホッと安堵していた。
昨日から募りに募った心配が、ふっと身体から抜けていく。
「ありがとうございました……では、もうしばらくお世話になりますが、よろしくお願いします。あと、治療費なんですが……」