【医者恋シリーズ2】 冷徹ドクターのイジワルな庇護愛



「ハァ……」


気を抜くと自動的にため息が出てきてしまう。

今日だけでもう何度吐き出しているのかわからないくらいだ。

昨日じゃこの処置が終わってから、帰って速攻で預金通帳を開いた。

七万円なんて突然払える大金、私にはない。

毎月貯金できる額は微々たるもので、そこまで貯えはなかった。

そんな中で、最近ちょうどアパートの契約更新があったり、電子レンジが急に壊れて泣く泣く新調したりと、大金が飛んでいくことが重なっていた。

そんな矢先の、じゃこの病院代……。

通帳を手に、その場に崩れ落ちてしばらくぼんやりとしていた。

あの後、室屋さんが治療費の内訳を詳しく説明してくれた。

初診料が千五百円。
膿瘍の切開と壊死部位の切除のオペが麻酔込みで五万円。
その他、入院しながらの経過観察で、投薬や処置が一回いくらだとか説明されたけど、そこまででもうよく耳が聴こえていなかった。


「ひまちゃん……?」

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