【医者恋シリーズ2】 冷徹ドクターのイジワルな庇護愛
一日の仕事を終え着替えを済ませ、帰ろうと病院内を歩いていると、正面からやってきた芽衣子(めいこ)ちゃんに声をかけられた。
白雪(しらゆき)芽衣子ちゃんは、この病院の小児病棟に勤める看護師。
同じ歳というのもあり、MRの雪音ちゃんと三人で仲良しなのだ。
「芽衣子ちゃん、お疲れ様……仕事、今日は夜?」
「うん、夜勤」と答えた芽衣子ちゃんの隣には、同じ小児科のドクター、天笠(あまがさ)先生が一緒だ。
最近、関西の小児救命救急からやってきたという噂の先生で、芽衣子ちゃんは『無表情で子どもたちが怖がってる』なんて言ってたけど、この綺麗な顔立ちとクールな眼鏡のせいだと思われる。
ちなみに、院内食堂にいらっしゃる際にはアジフライ定食をご所望される率が高いため、私の中では〝アジフライ先生〟と勝手に命名させてもらっていたりする。
「ひまちゃん、なんか顔色悪いけど……」