【医者恋シリーズ2】 冷徹ドクターのイジワルな庇護愛
目覚めたら先生の寝室で
――ん……?
心地いい柔らかさに包まれている。
ふんわりとしたこのホッとする安心感は、ぐっすり眠って目覚めた時のお布団の中の気持ち良さ。
――おっ、お布団⁈
バチっと開いた目に、高い天井とファンの付いたオシャレなシーリングライトが映った。
どうやら寝ていたらしいということと、明らかに自分の部屋じゃないということに勢いよく身体を起こす。
瞬間、くらりと目眩に襲われ、額に手を当てていた。
「やっと目覚めたか」
手をどけ薄っすらと目を開くと、向こうにソファに腰を掛けた辻先生の姿が見えた。
開いた本を片手にした辻先生は、その体勢を崩さずじっとこっちを見ている。
数秒目を合わせると、また何事もなかったように本の中へと視線を戻した。
「あっ、あの、私」
「来院して、いきなり入り口で倒れた」
「えっ!」