【医者恋シリーズ2】 冷徹ドクターのイジワルな庇護愛


なんだか嫌な予感がする。

ここ何日か、どこか元気がなくて心配してきたことが、気のせいではなかったなんてなったら……。

はやる気持ちを抑えて靴を脱ぎ、細い廊下を進んで奥の部屋へと向かう。

通りがかりのキッチンの隅に置いてあるじゃこのご飯のお皿には、朝出る前に入れていったままとほぼ変わりのないキャットフードが残されていた。


「じゃこ……?」


じゃこは、1Kの部屋の奥、掃き出し窓のカーテンが閉まったその前に丸まって座っていた。

体重が五キロほどあるじゃこは柄がキジトラなのもあって、狭い部屋の中では存在感をいつも放っている。

入ってきた私の姿を見上げ、小さく「ニャア」と鳴いた。


「ただいま。どうした、じゃこ……」


バッグを置いて、じゃこのすぐそばに膝をつく。

抱っこをしようと身体に触れると、じゃこはもぞもぞとどこか嫌がるように身体を動かし、また「ニャア」と声を上げた。

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