【医者恋シリーズ2】 冷徹ドクターのイジワルな庇護愛
猫カフェでの魔除け任務?



「……どう、でしょうか?」


箸を手に、一口目にお味噌汁に口をつけた先生を、正面からじっと凝視する。

黙ってお椀を置いた先生に、ごくりと生唾を飲み込んでいた。


「……予想以上だな」

「え、あの、それは良い意味でしょうか?」


短く「ああ」と返事をした先生は、今度はきのこの炊き込みご飯に箸を進める。

ホッと安堵して「良かった……」と呟いてしまっていた。


「前の大学病院の食堂が職場と聞いた。料理の手際は仕事のおかげか」


情報源は室屋さんだろう。

今朝、散歩に行った時にチラリとそんな話題が出ると、うちの食堂のご飯が美味しいと噂を聞いたことがあるから行ってみたかったとテンションが上がっていた。

私が働いているなら、今度昼休みに潜入しようかなんてことも言っていた。


「はい、もう五年くらい働いてます。時間の都合も良くて、職場の人もみんないい人だし、おかげで料理もいろいろ覚えられました」


病院食堂の仕事は、私にとってはなんの不満もない最高の職場だ。

今後ももちろん続けていこうと思っている。


「そうか。ムロが今度絶対行くと盛り上がってたぞ」

「あ、はい。安くて美味しいので、結構周辺住民の方も食べにきていて。なので、ぜひ来てくださいって話してました」


そう言ってから、「先生もよろしければぜひ」と付け足そうと思ったけど、あっさり遠慮されそうでやめておいた。

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