【医者恋シリーズ2】 冷徹ドクターのイジワルな庇護愛
「明日の土曜日も仕事なのか」
淡々と食事を進めながら、少し続いた沈黙を先生が破る。
「いえ、今週は土日お休みです」
大学病院の外来休診の日曜は毎週必ずお休み。
土曜は出勤している率が高いけど、今週はたまたま土日が休みだ。
普段は平日どこか一日と日曜のお休みで基本週休二日で働いている。
「それなら、明日の午後、早速仕事に同行してもらう」
「え、同行……ですか?」
「ああ。明日は午前の診察が終わったら、病院は閉めて出掛けるから」
仕事に同行とは、一体どこに行くのだろうか?
室屋さんが先生は病院外でも色々な動物関係の仕事に携わっていると言っていた。
仕事の同行とはいえ、動物関係の内容だと思うとなんだか楽しみな気持ちが膨らんでしまう。
「美味かった、ご馳走さま」
黙々と食事をしていた先生は、箸を置いて手を合わせる。
「それは良かった、です……お粗末さまでした」
席を立ち上がり、自分の食器を片付け始める先生を目に、つい自分の箸が止まっていた。
〝美味しい〟と感想を言ってもらえるなんて思っていなかったからか、無駄にドキドキと鼓動が音を立てていた。