【医者恋シリーズ2】 冷徹ドクターのイジワルな庇護愛
魔除け?魔除けって何?
「いらっしゃいませ! あっ、お世話になります」
荷物も持たせてもらえず、せめて入り口の扉くらいは!と先回りしてカフェのドアを開くと、正面カウンターにいた店員さんが声をかけてきた。
初めて来た私を見てお客さんだと思ったようだけど、後から来た辻先生を目に、慌てて「お世話になります」と付け足す。
辻先生も「こんにちは」と、いつも病院で患者さんに対応するような態度で挨拶をしていた。
「エリアマネージャー! 辻先生いらしました」
店員は皆、白のTシャツにデニム、それに胸元に店名ロゴが入ったブラウンのエプロンを掛けている。
受付の店員が奥に向かって声をかけると、すぐに女性が一人現れた。
「先生、こんにちは! いつもありがとうございます」
ホワイトのシフォンブラウスに、ネイビーの美脚パンツを履いた、私と同年代だと思われる女性。
エリアマネージャーというからには、この猫カフェを運営する会社の社員なのだろう。
辻先生に挨拶をすると、一緒に来た私へも頭を下げる。
慌てて頭を下げ返した。
「新入りが入ったとうかがいましたが」
「そうなんです! 二匹なんですが、可能ならワクチン接種もお願いできれば」
「わかりました。診てから問題なければやりましょう」