【医者恋シリーズ2】 冷徹ドクターのイジワルな庇護愛


仕事を終え、今日は食材を買いにスーパーへと寄り道。

先生の食事の用意をすることになってから、食費は先に手渡されている。

作る私が自由に買い物ができたほうが都合がいいだろうと預かっているけど、その金額が私の常識の範囲をはるかに上回っていて驚いた。

たぶん、足りなくて私が自分の財布を開けることにならないようにの配慮なんだろうけど、絶対そんなことにはならないと思う。

今日はスーパーに行くと、茄子やズッキーニ、ヤングコーンなどが安く手に入った。

せっかくだからこの材料で夏野菜カレーを作ろうと思う。

先生はお昼はチキン南蛮だったから、カレーで悪くないと思う。

それに副菜で何か作ろうと冷蔵庫の中の野菜を思い返しているところに「ちょっと、そこのあなた」と、病院を目前に後ろから声を掛けられた。

あっ……この人って……。

振り向いてすぐ、そこにいた華やかな姿に圧倒される。

今日は鮮やかなボタニカル柄のノースリワンピースに、麦わらの女優帽をかぶり、目元には大きなサングラスをかけている。

高いヒールのサンダルで目の前まで近付き、六渡寺さんは顔を見せるようにサングラスを外した。

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