【医者恋シリーズ2】 冷徹ドクターのイジワルな庇護愛


テレビの報道番組やドキュメンタリー番組で見たことはあった。

毎日多くの動物たちがやむを得ず殺処分されている現実。

どうしても飼えなくなってしまい、もらい手も見つからず、泣く泣く保健所にお願いをする飼い主たち。

しかし、身勝手な理由で飼っていた動物を手放す心無い飼い主も世の中には多くいるという。

鳴き声がうるさい。思っていた以上に成長してしまった。ひどい理由には、トイレを覚えないからなんて言う人も中にはいるらしい。

昔に比べ、その数は年々減少の傾向にあるという統計が出てはいるが、目の前の現状に愕然としていた。


「獣医師になったばかりの頃、ここの動物保護センターに勤務していた」

「え……ここに?」

「と言っても、すぐに退職したけどな」


となりに立つ先生を見上げると、自嘲気味な笑みを口元に浮かべている。

その意味を知りたくて、じっと視線を送り続けた。


「自分は、動物が好きで獣医師になったはずなのに……どうして、動物を殺してるんだって思ったら、俺には無理だった」

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