あなたへ


そんな状態が5分弱続く。


すると、空から1粒の水がふとんくんの頭に落ちる。


どうやら雨が降ってきたようだ。


それに驚いたのかバッと顔を上げ空を見上げるふとんくん。


傘は持ってないようだ。


「ふとんくんが濡れちゃう…!」


ふとんくんが濡れて風邪でも引いたら大変だ。


私は急いで部屋から飛び出し玄関へと向かう。


「階段降りるのだるっ…」


そう呟くとかなり上の方から飛び降りる。


無事着地は出来たが足がジンジンする。


かなり大きな音が出たため、リビングからお母さんが現れた。


「ちょっと…今パパが寝室で寝てるんだから…って、瑠梨?あんたどこ行くの?」


玄関で靴を適当に履いて傘を1つ手に取る


「ちょっとそこまで!」

「えっ?あんたまだパジャ…」


お母さんの話を最後まで聞かずに外に飛び出す。


今はお母さんの話よりふとんくんが最優先だ。


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