あなたへ
お母さんが出ていってしまい、ふとんくんと二人きりになった私。
さて…どうしよう。
「この紅茶美味しいね」
ふとんくんが話しかけてくれる。
「あっ…紅茶の専門店をやってる親戚がいて…毎年送られてくるんです」
「そうなんだ?」
「はい」
うわああああ!!!
会話が終了してしまった。
何をやっているんだ…!!
なにか話題…。
「瑠梨ちゃんはさ」
そう思っていた矢先、またもや口を開いたのはふとんくんだった。
「瑠梨ちゃんはさ、高校生なんだよね?」
「はい、高校2年生です」
「学校は楽しい?」
ふとんくんが私について聞いている…!!
感動しかしない。
「楽しいです!丁度体育祭が終わったばっかりで、これから文化祭の準備が始まるんですよ」
「へぇ〜…懐かしいな、体育祭に文化祭。もし良かったら文化祭呼んでよ」
ふとんくんの口からとんでもない言葉が出る。
呼ぶ…?ふとんくんを…?文化祭に……??
「いいんですか!?」
素直な感想だ。
「うん。逆に、こんなただの客が何言ってんだって話だけど」
「いやいや!!!嬉しいです!勿論呼びます!任せてください!!ふt…冬翔…さん!」
危ない危ない。
ふとんくんって言いかけちゃう癖、何とかしないとなぁ…。
「じゃ、じゃあ!日にちとか分かったらまた教えます!」
「ありがとう。絶対に行けるかは不安だけど。頑張って予定あけるね」
まさかこんな事になるなんて。
思わなかった。
ふとんくんとの距離が近くなった気がする。
そう。
この頃の私は浅はかだった。