あなたへ

お店に入ると、長年の常連さんが親戚を招いてお子さんの誕生日パーティーをしていた。


「だから忙しそうだったんだ…」


母曰く、予約等は受け付けてないが常連さんの頼みなら、という事でやっているらしい。


ふとんくんは案の定いなかった。


「いるかもって思って期待しちゃった…」


なぜ居ると期待して居ないと分かるとこんなに寂しいのだろう。


ファンとしての感情……だよね、?


「瑠梨!遅いわよあんた!!着替えたらこれ持ってって!」


お母さんが厨房でバタバタと動いている。


私は重い足取りでスタッフルームに入った。


< 71 / 84 >

この作品をシェア

pagetop