女探偵アマネの事件簿(上)
プロローグ
ロンドン塔の屋上で、お互いを見合っている三人の影。
黒い髪を肩に少し付く位まで伸ばし、静かな光を放つ瞳は髪と同じく黒い。月明かりに照らされた銀色のピアスがキラリと光る。
「いい加減にしてください」
とても落ち着いた、透明感のある女性の声が響く。
「僕は狙った獲物は逃がさない。勿論、君もね」
女性の前に立っているのは、金色の髪を後ろで一つに結び、眼鏡を掛けている青年。黒いシルクハットに黒いマントで、まるでカラスのように全身黒一色だが、不思議と彼には良く似合っていた。
「私の心は私だけのものです。貴方が私から盗めるものなどありません『黒の貴公子』」
「さすがは『ミス・アマネ』。ますます欲しいね」
黒の貴公子とアマネ。謎を解く者と謎をかける者。
「あのさ、俺のこと忘れんの止めてくれねぇ?」
アマネの後ろから、呆れたような男の声が聞こえた。
「ウィル」
アマネの助手の彼は、茶色の髪をなびかせながら前へと出る。
「お前にはアマネの心はやらねぇよ。……だってこいつゴリラだぞ!苦労するのが目に見えてんだぞ!止めとけ」
ピシッと親指で自分の後ろを指差す。その途端。
「………」
乾いた銃声の音が響いた。
「君、女性になんてことを………」
銃を発砲したアマネを見ながら、黒の貴公子はこめかみを押さえた。
これは、ふたりの男が一人の女性を巡って争い、時には謎解きをするお話……………かもしれない。
黒い髪を肩に少し付く位まで伸ばし、静かな光を放つ瞳は髪と同じく黒い。月明かりに照らされた銀色のピアスがキラリと光る。
「いい加減にしてください」
とても落ち着いた、透明感のある女性の声が響く。
「僕は狙った獲物は逃がさない。勿論、君もね」
女性の前に立っているのは、金色の髪を後ろで一つに結び、眼鏡を掛けている青年。黒いシルクハットに黒いマントで、まるでカラスのように全身黒一色だが、不思議と彼には良く似合っていた。
「私の心は私だけのものです。貴方が私から盗めるものなどありません『黒の貴公子』」
「さすがは『ミス・アマネ』。ますます欲しいね」
黒の貴公子とアマネ。謎を解く者と謎をかける者。
「あのさ、俺のこと忘れんの止めてくれねぇ?」
アマネの後ろから、呆れたような男の声が聞こえた。
「ウィル」
アマネの助手の彼は、茶色の髪をなびかせながら前へと出る。
「お前にはアマネの心はやらねぇよ。……だってこいつゴリラだぞ!苦労するのが目に見えてんだぞ!止めとけ」
ピシッと親指で自分の後ろを指差す。その途端。
「………」
乾いた銃声の音が響いた。
「君、女性になんてことを………」
銃を発砲したアマネを見ながら、黒の貴公子はこめかみを押さえた。
これは、ふたりの男が一人の女性を巡って争い、時には謎解きをするお話……………かもしれない。
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