俺らの本
こいつに似てる。


「ふふっぷははは。」


なんだよ、このキーホルダー。


何で、怒ってるんだよ。


あまりにも似すぎていて、笑わずにはいられなかった。


俺がいきなり笑い出したからか、そいつは目を丸くさせて驚いている。


「えぇ！？急にどうしたの！？」


あきらかに動揺しているそいつに何か文句の一つのでも行ってやろうか思ったが、バカらしくなり止めた。


「別に。………助かった。」


相手に聞こえるか聞こえないか程度で言ったが、そいつは聞こえたらしく、少し驚いた顔をして、横断歩道を向いた。


「気にしないで。事故にあわなくて良かった。」


良かった……か。


そいつの顔を見ると、なぜか優しい顔をしていて、それが本心だとわかる。


さっきまで睨んでいたヤツとは別人のようだ。


変なヤツだな。

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