俺らの本
ふと気づけば、いつの間にか校門をくぐっていた。


そのまま生徒玄関にたどり着くと、まるで待ち伏せをしていたかのように一人の生徒が近づいてきた。


「かっかっか!!やっと来た!そこのイケメンたち!」


その生徒は俺らを指さし、独特な笑い声が響いた。


「歌、邪魔。相変わらずうるせー。」


ため息をつきながら、目の前にさされている手を払いのける。


「かっかっか!シロも相変わらず!コバさんは年中無休で元気だからね~。シロにも元気を分けてあげよう!」


そう言って腕を俺の方に伸ばす生徒の名前は、小林 歌(こばやし うた)。


自分のことをコバさんと呼ぶ変人だ。


葵が小学生から、歌は中学生から同じで、この二人だけが俺の友だちと言える人だ。

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