俺らの本
「女子と?」


歌は立ち止まって、驚いた顔をしながら俺を見る。


「ほら~、やっぱり歌ちゃんも驚いた!!見てて楽しかったよ!」


「ほら、じゃねーよ。何を勝手に言ってんだよ。」


しかも見てて楽しかったって、俺を何だと思ってんだよ、葵は。


無性に恥ずかしくなってくる。


ため息をつくと、ある異変に気づいた。


歌が妙に静かだな。


歌を見ると、口を大きく開けて、首を横に振っていた。


「待って、お二人さん!驚いたけどさ。話がおかしくないかい?」


おかしい?


葵が言ったことは、確かに本当ことだしな。


何かあったのか?


葵を見ると、思い当たらないようで、笑顔で首をかしげていた。


「どこがおかしいの~?」


「どこがだって!?じゃあ、質問です!コバさんの性別は何ですか!!?はい、十秒前!!」


歌が俺らを睨みつけながら、手を広げた。

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