俺らの本
あ。


そこまで言われて気づいたが、歌はこう見えても女だ。


制服も俺らと同じズボンだからか、特に何も思ってなかったのか。


歌がこんなんだから、俺らは友だちのままでいられたんだろう。


「えっとね。歌ちゃんは歌ちゃんだよ。ね、大ちゃん!」


「そうだな。歌は歌だ。」


その言葉を聞いて、歌はわかりやすく肩を落とし、深くため息をついた。


「それは答えになってないんだけど。んま!コバさんはコバさんか!じゃ、次シロが女子と話してたら呼んで。……見に行くから。」


「もちろんだよ~!」


「話さねーよ。」


そんなアホみたいな話をしてたら、あっという間に教室の前だった。

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