俺らの本
そう思っていたら、チャイムと同時に先生が入り、いつも通り朝礼が始まった。


「今日の連絡は特にないが。君たちの学校生活初めて文化祭があるな。来週から授業二時間はその準備になるぞ。」


先生の声に反応するように、教室が騒がしくなる。


そう言えば、文化祭があるんだったな。


チラリと周りを見ると、当日一緒に回る話や、出し物をどうするかという話をしている。


まー、俺は誰かと一緒に回る気もねーし、関係ないな。


葵も歌も、違うヤツと一緒に見た方がアイツらのため。


ふと前を向くと、歌がニヤニヤと笑いながらこっちを見ている。


きっと、一緒に回ろうかと、ろくでもない考えでもしているんだろう。


だが、そんな気は全くない。


そんな俺の気持ちに気づいたのか、歌は不満そうな顔をして前を向いた。


そんな顔するなよ。


お前らは別のヤツと回った方がいい。

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