綺麗に愛せなくてごめんね。

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「たかこー今日もお疲れ。飲み行こ」

「お疲れ!行こ行こ。毎日あんなと飲み歩いてるね〜。節約しないといけないけどやめられないよ」

「そうだね…。」

地元から酔った勢いで当ても無しにこの都会へ出てきた私たちは大親友で毎日一緒にいた。
地元でもキャバクラの営業終わりに飲み歩いてその日の給料から飲み代は賄って。


私の家は厳しかったからもうほとんど家には帰れずにいた。
高校中退した16歳17歳が酒臭いボロボロケバメイクで朝帰りなんて、許してくれるはずもなく。

元々家族大好きな私はそれも辛かったけど何も考えない毎日がとにかく楽しかったしやめられなかった。
朝まで飲んでたかこの実家に一緒に帰り夕方起きてその日の残りの給料で服と下着を買う。
出勤してまたそれの繰り返し…。



そして出てきたこの街


全てがキラキラして見えた。
働けるお店もいっぱいあると勘違いして出てきたから、都会の方が未成年には厳しいと知らず、働き口を探すのは逆に大変だったけど、とにかく全てがどうにかなった。


…だから「やめる」必要がなかった。


刺激的で

楽しくて

自由で




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