カクテル紅茶館の事件簿録
さん. 教科書と先生
夕方なのに空はもうすでに夜。
真っ暗な空には片手で数えられるだけの数の小さな星が瞬いている。
生まれも育ちもこの街の私は空に輝く無数の星を見たことがない。
あってテレビや写真。
この街の空にも本当にあんなに沢山の星たちは存在してるのだろうか?
どっちにしたって見えないのだからあってもないのと変わりはしないのだけど……。
目線を下ろす。
人口の光に満たされている世界に思わず目が細まる。
この光は暴力的だなとか思ってしまう。