カクテル紅茶館の事件簿録
恐らく、いまの私は酷く笑える顔をしているだろう。
そんな私を、ヌイはどんな表情で見ているだろう?
こんな具合に思考はクリアだ。
それでもやっぱり体は動かない。
「タマちゃん?何?僕に拭き拭きして欲しい?」
「何その子!」
ヌイの意地悪そうな問いかけにやっと体が動くことを認める。
が、出てきた言葉はヌイのどの問いかけにもそぐわないものだった。
「ん?ああ」
ヌイはあたかもいま気づいたかのような反応を示す。
「可愛いでしょ」