カクテル紅茶館の事件簿録
「本当にごめんなさい。
言い訳でしかないけど、あの時は本当に辛かった。
でもこれだけは信じて?
お母さんはヌイが嫌いになったわけじゃないの。
ヌイのせいとかでもないの。ただ、自分にとても嫌気が指してた。
笑顔を作ることに必死で。
そんな必死にならないと笑顔になれない自分がとても醜くて汚かった。
いまは隠せていてもいずれこの醜さは殻を破って外に出てきてしまう。
そんな姿を、大好きなヌイには見せたくないって思った。
そう思ったら家を飛び出していた。最低よね。
何も言わずに出て行って、それでもお母さんの言葉を信じてだなんて……。
ヌイ、本当にごめんなさい」