カクテル紅茶館の事件簿録
ヌイのお母さんは言葉を詰まらせながら話した。
本当に辛かったのかもしれない。
それでも、私は湧き上がる苛立ちを見て見ぬ振りができなかった。
「どうして施設ではなくヌイのところだったんですか?」
だって、酷い話じゃないか。
この人はヌイを捨てた上にその子に自分の面影のある赤ん坊を押し付けたのだ。
それもヌイのことを迎えに来ていないのに新しく子供を作って。
それって二度も捨てられたようなそんな気分になるじゃないか。