カクテル紅茶館の事件簿録

「分からないの。どうしてかしら。

タマさんの言う通り、本来なら施設に預けるべきなのに。

無意識だった。

振り返ってみても縫一のところ以外考えられなかった」

その人は本当に不思議そうに、自分に問いかけるようにそう言った。

私は苛立ちを抑えて自分なりに考察してみる。

だって、私がここへ来たのは怒って喚く為じゃないんだから。

「あの、多分ですけど。

誰かに助けて欲しかったんじゃないんですか?」

私の言葉にその人はハッと息を呑む。
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