火事場の王子様
消防隊員
──ジリジリジリジリィィ──
「えっ、何!?火事!?」
聡美はオフィスをキョロキョロと見回すが、もうすでに誰も居なかった。
「もう皆避難しちゃったの!?何で誰も声掛けてくれないの~!!」
絶叫しながら全速力で出口に向かった。
だが、廊下に出ると右も左も煙で見えない。
「やだっ、死にたくないっ!だ、誰かぁぁぁぁぁ…」
「まだ誰かいる!?大丈夫ですか!?」
男の声が聞こえた。
すると煙の中から消防隊員が現れて、手を差しのべてきた。
「大丈夫。僕が助けるからっ」
泣きそうになりながら、聡美は両手でその手を取った。
その時、
ピピピピッピピピピッピピピピッピピピピッピピピピピピピピピピィ──────
聡美は己の手を握り合ったまま、自室のベッドで瞼を開いた。
「……夢か」
呟き、目覚まし時計のスイッチをオフにした────
あ、初めまして。刈谷 聡美、29歳です。OLやってます。先々週、目覚まし時計を踏んづけてしまって、新しいのに買い換えたんですよねぇ。
そしたら、三段階で違う音が鳴るこの目覚まし時計を使い初めてから三日に一度の割合でオフィスが火事になるんですよー。
でも、毎回あの消防隊員さんに助けられ、少し幸せな朝を迎えられてます!
未だに顔は拝見できて無いんですけどね?
あ、この目覚まし時計の3段階目の音を聞いたことがまだないんですよー。いつも2段階目で目覚めるので。
やばいっ、遅刻しそうなのでそれではまた!!
「えっ、何!?火事!?」
聡美はオフィスをキョロキョロと見回すが、もうすでに誰も居なかった。
「もう皆避難しちゃったの!?何で誰も声掛けてくれないの~!!」
絶叫しながら全速力で出口に向かった。
だが、廊下に出ると右も左も煙で見えない。
「やだっ、死にたくないっ!だ、誰かぁぁぁぁぁ…」
「まだ誰かいる!?大丈夫ですか!?」
男の声が聞こえた。
すると煙の中から消防隊員が現れて、手を差しのべてきた。
「大丈夫。僕が助けるからっ」
泣きそうになりながら、聡美は両手でその手を取った。
その時、
ピピピピッピピピピッピピピピッピピピピッピピピピピピピピピピィ──────
聡美は己の手を握り合ったまま、自室のベッドで瞼を開いた。
「……夢か」
呟き、目覚まし時計のスイッチをオフにした────
あ、初めまして。刈谷 聡美、29歳です。OLやってます。先々週、目覚まし時計を踏んづけてしまって、新しいのに買い換えたんですよねぇ。
そしたら、三段階で違う音が鳴るこの目覚まし時計を使い初めてから三日に一度の割合でオフィスが火事になるんですよー。
でも、毎回あの消防隊員さんに助けられ、少し幸せな朝を迎えられてます!
未だに顔は拝見できて無いんですけどね?
あ、この目覚まし時計の3段階目の音を聞いたことがまだないんですよー。いつも2段階目で目覚めるので。
やばいっ、遅刻しそうなのでそれではまた!!
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