夜の庭園ー少女たちの消える庭ー
怖いもの見たさ、というやつでしょうか。

今私がしてみせた妄想が、まさに校長先生の言っていた「心無い噂」の芽に違いありませんでした。

容子の言うとおり、私らしくありません。

「ごめん。あの子、はやく見つかるといいよね」

素直に反省した私の言葉に、容子が小声で「うん」と答えます。

確かに私も私らしくありませんでしたが、容子の方もまったく容子らしくはありませんでした。

普段と立場が完全に逆転してしまったようです。

それに、いくら不謹慎だったとはいえ、容子にここまで拒絶反応を示されるとは思ってもみませんでした。
< 24 / 57 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop