夜の庭園ー少女たちの消える庭ー
時間が時間なだけに、大声で呼ぶわけにもいきません。
少し考えたあと、私は着替えてこっそりと家を抜け出しました。
やっぱり何かあって、私を頼りに来たんだ。
ちゃんと話を聞いてあげなきゃ。
そう思いながら家の前の道路に走り出ました。
けれど、さっきまで容子がいた街灯の下にはもうその姿はありませんでした。
「容子?」
どこへ行ったのかと見回すと、少し離れた街灯の光の下から抜け出ていくピンクのランドセルが目にとまりました。
「容子!」
走ってそこまで辿り着くと、今度はどこかの家の窓から漏れる明かりの下を、向こうに曲がっていく後ろ姿が見えました。
待って容子、と叫んでも、振り返ることなく歩いていってしまいます。
不思議なことに、容子は常に少し向こうの明かりの下に現れては消え、走っている私は歩いているはずの容子に追いつくことができません。
少し考えたあと、私は着替えてこっそりと家を抜け出しました。
やっぱり何かあって、私を頼りに来たんだ。
ちゃんと話を聞いてあげなきゃ。
そう思いながら家の前の道路に走り出ました。
けれど、さっきまで容子がいた街灯の下にはもうその姿はありませんでした。
「容子?」
どこへ行ったのかと見回すと、少し離れた街灯の光の下から抜け出ていくピンクのランドセルが目にとまりました。
「容子!」
走ってそこまで辿り着くと、今度はどこかの家の窓から漏れる明かりの下を、向こうに曲がっていく後ろ姿が見えました。
待って容子、と叫んでも、振り返ることなく歩いていってしまいます。
不思議なことに、容子は常に少し向こうの明かりの下に現れては消え、走っている私は歩いているはずの容子に追いつくことができません。