夜の庭園ー少女たちの消える庭ー
『一緒に行こう、エリちゃん』
容子は私を道連れにするためにここまで導いたのでしょうか。
それとも......。
私は最後に見た容子の顔を思い出しました。
来たらダメ、と訴えながら、同時に「助けて」と懇願するように私を見た、あの揺れる瞳を。
私は拳を握りしめ、自分を奮い立たせました。
容子は私の大事な幼なじみです。
知らない場所に連れ去られていくのを、黙って見送るわけにはいきません。
私は容子と「影」の後を追って、校庭の闇の中に飛び込みました。