夜の庭園ー少女たちの消える庭ー
急いでアーチに走り寄り、向こう側へくぐり抜けてみても、そこにはもう校舎裏の闇の続きがあるだけでした。

どうしよう、と私はパニックになりました。

まだ庭園には容子がいるのに、出入口が閉じてしまったのです。

その時、校庭の方から小さな丸い光がこちらにやってくるのが見えました。

人影は、光を私に向けました。

「ああ、君......」

「先生!」

やってきたのは、懐中電灯を持った校長先生でした。

私は安心感で崩れ落ちそうになりながらも校長先生にすがりつきました。

「先生、助けて!容子が『夜の庭園』に閉じ込められたの!他の子もたちもこの中にいるの!」

「おやおや、どうしたんだい、落ち着きなさい......」
< 48 / 57 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop