いらっしゃいませ

好きな人の、好きなところを話す彼女は、

時々、悲しそうにしながらも、
微笑みながら、たまに照れながらで。

秘めた想いだったせいか、
話せる喜びを味わっているようだった。

そんな彼女を、とわこさんは
昔からの親友のように包み込み。

部屋を出てきた時には…




…誰あれ?

ヤス、バカなの?

チビ、お前にだけは言われたくなかったな。

あたしのことが、好きなの?


チビ…。どう考えたら、そうなる?



はいはい、お前たちお客様が、お帰りだよ。

うす。
はーい。


この店の、決まりごと。
帰る客には、心を込めて。

せーの。

またのお越しを、お待ちしております!!



ここは、【忘れ物 カフェ】。

忘れたくなったら、いらっしゃい。


想い出したら…いらっしゃいな。



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