いらっしゃいませ
彼女は、僕が知らなかったことをたくさん
教えてくれました。
最初は、苦手なことばかりを押し付けられて
疲れてしまう日々でしたが…。
と、苦笑いする。
その子が、お前さんを変えたんだね?
はい。間違いなく。
彼女のおかげで、人と話すことも…
前ほど苦手じゃなくなりましたし。
今日みたいに。
と、照れながら笑う。
そこへ、チビちゃんがアイスカフェオレを
運んで来た。
はーい。お待たせー。
ありがとうございます!
男性は、美味しそうに半分ほど一気に
飲んだ。
喉が乾いてしまって。すみません。
と、顔を赤くして笑っているのを見て、
チビちゃんは、ごゆっくり!と、
決めポーズして出て行った。
それを見て、柔らかに笑う。
あの方みたいに…
明るい彼女と一緒にいると、とても楽しくて。
彼女のために、出来ることは何でも
してあげたいと思っていました…。
おや。出来なくなったのかい?
それが…。
気になる子が…できてしまって…。
ほう。それは困ったのぅ。
最初は、気が合うなって思うくらいで。
僕には彼女がいるし。
そう…思っていたんですが。
いつのまにか…
気がつくと目で追っている自分を、
止めることが…出来なくなっていました。