ラヒの預言書
王宮の門前。
神官見習い試験の願書を受付する者達で、溢れ返っていた。
「ガドラン様、さぁ参りましょう!」
「どうせ形だけの出家だ。直ぐに家に戻るというにの何の意味がある」
「ガドラン様。貴方様は、代々続く四大貴族、メドゥロ家の次男なんですよ!!功徳を積む為でございます!」
「父上の功徳だろうが、見栄ばかり強くて困ったものだ」
「ガドラン様っ!!口を慎みなさいませ!」
「フンッ...........」
神官見習いは、大体がデルガの出身の若い男子だ。
殆どが相続争いを避けるため、次男三男など、家督以外が受ける事になっていたが、表向きはそうでも実状は自分の息子を神に仕えさせることで功徳を積むとゆう親の見栄の犠牲でもあった。
ガドランは、逃れられない自分の運命に嘆きながら、輿の中から珍しくもない外の風景を眺めていた。
暫く進むと、先の方で何やら騒ぎが起きている様子に気がついた。
「リロ、何やら騒がしいな?降りるぞ。」
「はい、かしこまりました。」
(一体、何を騒いでいるといゆうのだ?)
「なんだお前?ガロン(平民)じゃないか!お前の様な者が来る所じゃない、去れ!!」
兵士は手に持った願書を土の上に投げ落とした。
「はい、次の者。……おぉ、此れは此れはメドゥロ家のガドラン様じゃありませんか!とゆうことは、この度は、ご出家を?」
いつものごますりを適当にあしらっていると、先程まで騒ぎの中心だったであろう者が、投げ捨てられた自分の願書を拾い、また机に丁寧に置き直していた。