ラヒの預言書
3.出会い
カーン...........カーン...........カーン
「起床ー!!起床ー!!」
甲高い鐘の音が宿舎の廊下に鳴り響く。
その音を合図に、顔を洗い身支度を始める。
神官見習いの朝は早い。
神殿の敷地内の掃除、朝、昼、夜の御祈り、その他の
祭儀の準備など、忙しい時は息つく暇もないほどだ。
それでも毎日楽しくて仕方がなかった。
神聖な大神殿に入れる優越感に浸り、空いた時間と夜は遅くまで神殿の書物を読み漁った。
あっとゆう間に三年の月日が経ち、ソルは見習い期間を終えようとしていた。
「おい、ソル。お前は今日、大神殿の担当をしろとさ。それと、神花生けろとさ」
「ガドラン…身支度中に入るなと言っているだろう?…わざとか?」
「それにしても、三年で随分かわるものだなぁ。あんな子供だったお前がすっかり大人になって」
「おい、バカにしてんのか??」
「さぁ、どうだろうなぁ?...........クククッ」
「そんな事より、私が大神殿の担当とはどうゆう事なんだ?この前担当したばかりだぞ?」
「この前の祭儀での神花を皇后様が大層気に入られたそうだ。それで今日もー」
「本当かっ?!!では、今すぐ行ってくる!!」
「おいっ!」
ガドランの呼び掛けにも答えず、大神殿に入れるとゆうだけで沸き立つ気持ちが足を動かしていた。
「ギルドラの御一行が御来殿なさるそうだから、失礼のないようにな!!」
小さくなって行く背中に声を掛けるが、全く振り向く気配は無い。
「まったく、この私に下品にも大声を上げさせるのは、お前くらいだ…ククッ…」