ラヒの預言書

宴が終わり、通された部屋を見て驚いた。

部屋一面、花で埋め尽くされている。


「如何ですか?お花はお好きでしょ?」


「えぇ、まぁ、とても綺麗ですけど、とうしてこんなに沢山…」


「キルバル様より、手厚くもてなすように仰せつかっております」


「キルバル様が?」


「はい、そうですよ!ソル様に無理強いさせた事を気にされておりましたので、ここに連れてこられて直ぐ、部屋で安らげるよう準備せよと仰せでした。多くは語りませんがそうゆうお方なのですよ。ですから、キルバル様のお力になってあげてください!私からもお願い致します」


ステーシアは髪飾りを解きながら話始めた。


「あの…キルバル様は、なぜあの様に必死に預言書を解読しようとしてるのですか?今となっては、ただの迷信かも知れないのに...........」


「それは私には分かりません。…でも、200年前神官キリコは、最後にこう言ったそうです。“我が死して後、この世を変えたいと思う者がいれば、我の残したこの預言書を知恵とせよ”と、それ故キルバル様は長く求めておいででした。聖君に成られる為に」


「しかし、第一王子のマリール様が王位を継ぐのではないのですか?」


「正妻の第一王子のマリール様が王位を継ぐのは当たり前ですが、マリール様は少し体を壊しておられます。王位継承権を持つもの、命を狙われるのは王族の宿命ですが、マリール様は王位を争うには優し過ぎる。お命を狙われる日々に心を病んでしまわれました。母君のレギラナ様を亡くしてからとゆうもの、どんどん弱られている様で…。幼少より、仲が良かったキルバル様がいつも気にかけて見舞っている様ですが、最近では部屋からもほとんどお出にならないとか。それ故、キルバル様が次の王位を譲られるのではないかと裏では噂になっています」



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