ラヒの預言書

手当り次第に必要そうな本を見繕って、テーブルに置くと、片っ端から読み始めた。

いつしか煩わしい上着や、重い髪飾りも外して、長椅子に胡座をかいて読み耽っていた。

どれほどの時間が経ったか、本の文字が読みづらい事で、日が暮れている事に気が付いた。


「あれ?...........もうこんな暗い...あぁ~お腹空いたぁ~...........」

空腹を意識すると、一瞬にして、腹の虫が騒ぎ出した。

何か食べる物を頼もうと、呼び出し用の呼び鈴を初めて鳴らしてみる。


チリンッチリンッ……


「……………」


隣の部屋の足音さえ聞こえない。


「皆忙しいのかな?...........自分で呼びに行くか!」


くたくたで書斎を出ると、一気に食べ物のいい匂いが鼻をついた。


「やっと出てきたか」


「キルバル様っ!!」


「お前が鍵を掛けたまま、さっぱり書斎から出て来ないと、ステーシアから報告があってな。呼んでも全く返事もせぬし、仕方が無いから夕食を用意して待っていたのだ」


「グゥゥゥゥ~...........」


(やだ...........お腹.........)


「口ではなく腹が先に返事をしたか!ハッハッハ!!」


恥ずかしくて顔を上げられないまま、お腹を抑えてしゃがみ込んだ。


(止まれ〜お腹の音!!!)


「遠慮無く食べろ。一日中解読作業に没頭していたのだろう?これは褒美だ。明日からは時間がある時は来よう」


「え?来られるんですか?大丈夫です!何か分かりましたら直ぐお知らせしますから」


「何だ?私に来られるのは嫌なのか?」


キルバルは、少しムスッとした顔をしてソルを睨む。


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