ラヒの預言書
「.........また食事も取らずに調べていたのか?こうして口に入れてやらぬと真面に食べれぬとは。全く...........私を召使いの様に使うのはお前だけだ」
まるで雛に餌を与える親鳥の様に、次々と私の口に食べ物を運んでは、呆れた様に、それでいて少し楽しそうに笑っている。
「だからいいですってば!自分で食べれますからっ!!」
「ダメだ、お前の身体は大事だ 」
「えっ?」
腕を組みながら少し怒った様子で、ソルをじっと見つめる黄緑の瞳が、午後の光に透けて、透明度を増して輝いている。
「特にその頭は貴重だ!大事にしろ!!空腹では頭も回るまい」
「あぁ...........あはははは...........頭...ね...........」
「それに私は、抱き心地が良い女が好みだから、お前はもっと食べろ」
「だっ抱くってっ!!」
真っ赤になっているソルの顔を見て、キルバルは愉快そうに笑う。
「お前は、本当に分かりやすいな?ハッハッハ!!」
「もうっ!!からかうのは止めてく下さいっ!!」
ムキになって、キルバルが持ってきてくれた食事をほうばってみる。
いつもこんな感じでからかわれる毎日に、たまにドキッとさせられるけれど、嫌な気持ちはしなかった。
私の様子を見て笑っているキルバルが、少しだけ幼い頃の親友の笑顔に似ていて、からかわれながらも、ささやかな日常の楽しみでもあった。
(コルトーも大きくなってたらこんな風に笑ったのかな...........)