ラヒの預言書
「えっ?!!キルバル様っ!!どうして.......私っ?!!」
気が付くとソルはキルバルの膝の上に横に座る様な形で乗っかっていた。
ドクンッと心臓が痛くいくらい脈打つと、後は早鐘が打つように身体中に鳴り響く。
「すっすいませんっ!!私、酔ってしまった様で、本当にっ.......今すぐ退きますからっ!!」
顔面から火を噴く思いで、身体を起こそうとすると、強い力で腰を抑えられた。
「うぁっ」
「無理して立たずともよい」
「えっ?.......でも.......あっ」
俯いて耐えていると、更に近くに引き寄せられる。
思わず顔を上げると、キルバルの顔は直ぐそこで、黄緑色の宝石の様な瞳には、困った顔全開の自分が映っていた。
「キ.......キルバル様?」
「水.......」
「えっ?みっ水っ?!!」
「零しているぞ?.......ここに」
そう言うとキルバルが、ソルの少しはだけた胸元の双丘をゆっくりと撫でた。
初めての刺激に、身体がビクンッと飛び跳ねる。
「なんだ、どうした?震えているではないか。そんなに寒いのか?」
ソルの身体は寒いのとは真逆に、熱いくらい火照っていた。
余りの急展開で何と答えたらいいのかさえ分からない。
パクパクと口を動かすだけで全く言葉になっていない。
そうこうしている内に、腰と肩に回された腕が温める様に摩りだした。
「心配するな.......私が温めてやろう」
「あっ.......んぁっ.......あのっ!キルバル様ぁっ!!.......もう大丈夫っ.......あっ.......ですからっ!!」