ラヒの預言書
キルバルは意地悪な笑みを浮べたかと思うと、ソルの首に口付けた。
「んんっ!!キル.......バルさ.......ま.......何を」
「昨夜の続きだ」
「そんな.......話が違いますっ」
「さほど変わりはない」
ソルの僅かな抵抗など、気にもとめずキルバルはその唇をどんどんと下に進めて行く。
初めての様で初めてじゃない感覚がソルの身体を支配していた。
(この感じ.......私覚えてる)
時折チリっと痛むのはキルバルの所為か、通り過ぎた場所には所々紅い跡が残っている。
「お前の白い肌に花を咲かせるのは、俺だけでいい.......」
「ふっ.......んん」
「今日は葡萄酒も飲んでないのに、酔った様に身体が熱いのだな?頬も胸も桃色に染まり、俺を誘っている様だ」
「キル.......バル.......さ.......ま.......」
ガラス玉の様な黄緑の瞳が間近に迫り、伏し目がちなその目は、先程からソルの唇に向けられていた。
親指の腹で何度も撫でられると、ソルは無意識に自分の口を硬く引き結んでしまう。
「フフッ.......この前はいい所でお預けだったからな」
言葉の意味を図りかねていると、キルバルの片方の手がいきなりソルの内腿に滑り込んで来た。
「あっ!!」
反射的に唇を開いた瞬間、キルバルの熱い舌が挿し込まれた。
「んんっ.......!!」