ラヒの預言書
「今日から、お前達神官見習いの教育、指導を行う神官のラージである!!甘えた態度は捨て、レルーガ神に使える為、今より心を改よ!まず初めに、毎朝の沐浴の仕方を説明する!!毎日この時間に起床し、この神聖な沐浴の庭にて身を清める。この沐浴を行わないものは、大神殿に入ることは罷り成らぬ!暑くても、寒くても必ず沐浴をする事!怠けた者はそれなりの罰を受けてもらう!よいな!!」
「はい!!」
「それでは、前から順番に支度し、沐浴せよ」
ラージの支持で少しづつ人集りが前に進み始めた。
「毎朝こうして並ぶのか?時間の無駄だ.......面倒臭い」
「今日は、初日ですから皆一緒に沐浴しますが、明日からはそれぞれ来た順に沐浴しますので、ここまで混む事は無いかと.......それよりも私が嘆きたいのは、ガドラン様をこんな大勢が沐浴した後の水に浸からせないといけない事です!!聖なる清い水なのは分かりますが、これはあんまりにも酷過ぎる!!なにかご病気にでもなられたら、ザシリ様とジーラ様になんと言えばよいのでしょう.......お二人も御嘆きになります!!」
「そんな事、一々父上と母上に報告するなっ!余計面倒臭くなる.......」
一瞬過保護この上ない、両親の笑顔が浮かんで来たが、ガドランは頭を振って打ち消した。
「絶対余計な事は言うなよ?」
「.......はい」
あからさまに残念そうな顔で返事をするリロは不満そうだが、出家した所まで親がしゃしゃり出れば、確実に面倒になる事は分かっていた。