ラヒの預言書
「あっあのキルバル様!!ガドランは、私を心配して捜してくれていただけで、他に他意はございません!!どうかご容赦ください!!」
慌ててキルバルの腕から逃れて、ガドランの隣に跪いて許しをこうと、空かさず腕を引かれて立たされた。
「お前は跪かずともよい。私の寵妃なのだから。ガドラン、ソルに免じて、今回は許そう。だが、これからはもうお前が心配せずともよい。下がれ」
許しの言葉を貰って、ホッと胸をなでおろし、ガドランを見ると何故か頭を下げたまま動かないで居た。
「何だ?何か含みがあるのか?」
「ガドランっ!!早く戻って!!」
「.......殿下。必ずまたお会い致したく思います。それまで宜しくお願い致します。それでは失礼します」
二人が睨み合ったのか、見つめ合ったのか、一時の間を空けて、ガドランが下がって行った。
通り過ぎる瞬間、ガドランがソルの耳元に囁く。
「必ず迎えに来る」
「え?」
どう返したらいいのか戸惑っている間に、ガドランの姿は見えなくなってしまった。
「あの男と二人っきりで、何をしていた」
「なっ何も.......」
「随分と親しそうな間柄に見えたが」
「そんな事ありません!!神官見習いの好でよく話していた間柄だったので」
「随分な焦り様だな?」
「キルバル様.......何をそんなに怒っていらっしゃるのですか?」
「よくもそんな事が言えるな?仮にもお前は私の寵妃なのだ。こんな所で、他の男と抱き合っていたら、どんな噂を立てられよう?問題になれば、もうここに居られなくなるのだぞ?分かっているのか?」