ラヒの預言書
「少し静かにしろっ!!お咎めは無かった。だから安心しろ.......」
「それは本当ですか?!!」
「.......本当だ。しかし.......まぁ.......もう来るなと言われたがな。納得出来ないから、また来ると言ってきたけど.......」
「はぁ?!!!何をおっしゃってるんですか?!!そんな無礼な態度を殿下に.......」
「まぁ.......つい」
「あ゙あ゙あ゙ーーーーっ!!!信じられませんっ!!どこかに頭でもぶつけたんですか?!!正気の沙汰とは思えませんっ!!」
「.......分かってるよ。でもー」
「でもじゃありませんっ!!暫く大人しくして貰いますからねっ!!そうじゃなきゃ、即刻お二人に伝えますからっ!!」
真っ赤な顔で、今にも湯気を噴き出しそうなリロに押されて、全く言い返せなくなる。
親まで出て来たら面倒になる事は分かりきっているから、今は従うしかない。
「分かったよ.......。暫くは大人しくしているから、何故ソルがあの場所に囲われているか探ってくれ」
「交換条件ですね?分かりました。絶対絶対絶~対.......約束ですよ?」
「あぁ.......」
リロの視線から逃げる様に、ガドランは寝台に横になった。
目を瞑るとさっきまで目の前に居たソルが瞼の裏に蘇ってくる。
初めて美しく着飾ったソルを見て、冷静になれる訳が無い。
広く開いた胸元は、陽の光を浴びて、輝くばかりに実り、細く括れた腰は驚く程に華奢であった。
強く腕を引くと、飾られた装飾達がシャラシャラと魅惑的な音を立てた。
今すぐ自分の腕の中に留めて置きたい程、胸が震えて仕方ない。
こんな気持ちは初めてで、込み上げるこの感情を持て余して、今にも爆発してしまいそうだった。
必ず取り戻してみせる.......この腕の中に。