～恋～ 私、初めて、恋してます。

雅紀中１の時side




俺は、いじめられていた。




もともと陰キャで馴染めなかった。



そんなとき、斎藤組の跡継ぎに目をつけられた。



繁華街のビルとビルの間。



薄暗い狭い通路で殴られた。
斎藤組は薬もやっていて、目がおかしかった。



１０人くらいかな？


何度も何度も。


しまいには金属バットで殴ろうとした。




もうイヤだ。



いっそ殺してくれ。




そう思った時だった。



「弱いものいじめはいけないよ？」



女の子の声だった。



バカなのか？



こんな頭のおかしいやつらにやられてる俺をかばうなんて。

斎藤組下っ端
「お前かわいいな。俺たちと一緒に遊ぶか？」



そう言った瞬間かわいい女の子の顔が変わった。



変な雰囲気が漂った。



動けなくなった。



今思えばわかる。



殺気だ。




何人か倒れた。



俺は、女の子に興味津々で、倒れることも忘れて、見つめていた。



「あーぁせっかく穏便に済ませてやろうと思ったのに。」



ﾆﾔｯ




「かかってこいよ‼」



３０秒後




あっという間だった。


斎藤組は倒れていた。



綺麗な喧嘩だった。




零蝶だ…




蝶のように本当に綺麗に喧嘩をしていた。



そしてその女の子が立ち去るとき言ったんだ、



「お前は強くなれ。」



それから俺は、強くなった。


なめられまいと。





そしていつか、また零蝶に会いたいと。