~恋~ 私、初めて、恋してます。
愛翔中1の時side


俺は、大企業の跡取りとして生まれた。


俺のいきる道には、線路が引かれていた。


いつでも、愛想よく、笑顔で。


回りにずっと気を配り、家でも、外でも息をつけるところがなかった。


苦しかった。



そんななか、俺は、ストレスを他の人に当たるようになっていった。


喧嘩三昧。






「お前調子乗ってんじゃねぇよ」


女の声だ。


今まで俺に言い寄ってくるのなんて、地位とか名誉とかそういうのを目当てに近づいてくる女か、体の関係を求めるヤツだけだった。


コイツ、俺に殺されてぇのか?


後ろにいるであろう女に殴りかかった。


でも意図も簡単に避けられた。



……っ?



なんだコイツ…



今まで避けたやつなんて、居なかった。


なのに、きれいな身のこなしで避け、挙げ句、微笑んでいる。



茶髪で、ふわふわした髪には合わない、黒い微笑みだった。


そして、真っ黒な瞳だった。


だけど、どこか儚く、揺らいでいた。


なにがあったのか、知りたかった。

そして、コイツをいつか越えてやると思った。


新しい俺の居場所、流星の幹部に入って、初めて、零蝶だと言うことを知った。


そして、俺は、変わった。



心から笑えるようになった。



そして、長い間、人との関わりを避けてきたからか、人懐っこくなった。










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