朧咲夜2-貫くは禁忌の桜と月-【完】
事件後、遙音への嫌がらせや誹謗中傷があったのだ。
その中に、近所からの嫌がらせもあった。
だから俺たちは龍さんに、早急に家から離すように提言した。
引き取る余力があるはずの親戚もあのときはだんまりで。
仕方なしに、少し離れた場所にある施設に入ることになった。
慌ただしく過ぎてしまったから、松生とは別れも出来なかったと思う。
最後まで優しかった、唯一の子。
それは、言葉にするより遙かに重い。
「逃げられて凹んでるのか?」
「ラブラブ真っ最中の神宮にはわかんねえよ……」
今度はいじけだした。
凹んでいるというか、結構なダメージを喰らっているようだ。
どうしてか、ダメージを喰らわせているのが俺になっているが。