朧咲夜2-貫くは禁忌の桜と月-【完】


「あたしが二人っきりにしたんだから、少しくらい聞いてもいいよね?」
 

有無を言わさぬ笑顔で見られ、今度は私が小さくなる番だった。


「……付き合う前提で、付き合うことになりました」


「……は?」
 

なに言ってんの。そんな瞳で見られて、慌てて説明した。


「あの、流夜くんに、すきだと言われました」


「ほんと⁉」


「うん。……で、本当は卒業まで待って、私に彼氏出来そうになったら邪魔するつもりだったって言われました」


「流夜くん面白―っ」


「それで、私も答えを探してみたんだけど……私の感情と流夜くんの『すき』って言う言葉が同じだって言っていいのかわからなくて……先に言った関係を、提案しました」


「なるほど。つまり咲桜は鈍感だと言うことね」


「そのようです……」

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