朧咲夜2-貫くは禁忌の桜と月-【完】
『当たり前でしょ! だって……キスとか、初めて、したし……相手、流夜くんだし……』
咲桜が小さくなっていく。
恥ずかしそうに下げた視線。
かわい。
『……もう一回しようか?』
右手が咲桜の手を取った。
こんなこと言っても、どうせ怒鳴られて終わりだろうけど――
『……すきだよ』
『………咲桜?』
今……?
俺の口ではない。確かに咲桜の口が空気を震わせたのだ。
咲桜がゆっくり顔をあげた。