朧咲夜2-貫くは禁忌の桜と月-【完】
腕が伸びて、咲桜の両頬を捉えた。
『ありがとう。いいんだよ、それで。俺も同じだから』
『……ほんとう? あたってる? 間違ってない?』
『あたってるよ。俺も、同じことを思った。咲桜を幸せにする場所は、誰にもやりたくないって。それと俺は、咲桜とずっと一緒にいたいって思ってる。これは……どうだろう?』
問うと、咲桜は考えるように間をとった。
『……ある。流夜くんと一緒にいるの、すきだし、ずっと続いたらいいなって、思った』
『なら、いいんだ。俺は咲桜とずっと一緒にいたい。高校を卒業して、愛子の敷いた偽婚約が意味をなくしても』
『うん……一緒にいる。それが、恋人なのかな?』