朧咲夜2-貫くは禁忌の桜と月-【完】


『ごめんなさい……なんか、ほんと夢みたいで……流夜くんがあったかいから、本当なんだってわかったら……嬉しくて』
 

見せたのは、はにかんだような笑顔だった。


『……嫌じゃないのか?』
 

不安を問いかける今ですら、頬から手を離せずにいる。


本当に手放せない。


『嫌じゃないよっ。むしろ……しあわせだなーって、思う』
 

幸せ。咲桜もそう感じていてくれた。


それがまた、俺を幸せにする。


『……ありがとう』


『はい……』


『……咲桜、もう一回抱きしめていいか?』

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